【調べ学習】カデシュ・バルネアについて

 昨日の「カデシュ」に引き続き、今日はカデシュ・バルネアについて調べました。

「カデシュ」と「カデシュ・バルネア」はヨシュア記の14章6、7節を見るとこう書いてあるので(聖書協会共同訳聖書から引用します)

 

ギルガルのヨシュアのもとにユダの一族が進み出た。ケナズ人であるエフネの子カレブがヨシュアに言った。「私とあなたのことについて、主がカデシュ・バルネアで神の人モーセに告げられた言葉を、あなたはご存じのはずです。主の僕モーセが、この地を偵察させるために私をカデシュ・バルネアから遣わしたとき、私は四十歳でした。私は思ったとおりに報告しました。

 

民数記13章のカナンの偵察の箇所と比較して考えれば「カデシュ」と「カデシュ・バルネア」が同一の場所であることが分かります。

 
ならばどうして同一の場所について「カデシュ」と「カデシュ・バルネア」という呼び方があるのか、
市町村合併とかをやって名前が変わったというわけではないはずでそのあたりのことを調べました。
 
まずは、「カデシュ・バルネア」という地名が聖書のどこに登場するのか、聖書協会の聖書本文検索とBIBLE HUBのコンコルダンスを使って調べました。
 
聖書協会の本文検索でカデシュ・バルネアをキーワードにして検索すると
民数記(2回)、申命記(4回)、ヨシュア記(4回)の合計10回登場しているということが分かります。
以下聖書協会共同訳聖書より引用
 
 
民数記32章8節
あなたがたの父たちも、私がカデシュ・バルネアから彼らを遣わしてその地を偵察させたとき、同じようなことをした。
民数記34章4節
 
そこからアクラビムの坂の南を回り、ツィンを経て、カデシュ・バルネアの南に至ってその極限となる。そこからハツァル・アダルに進み、アツモンを通る。
 
民数記には「カデシュ・バルネア」ではない「カデシュ」という言葉が8回登場していることが昨日の調べ学習で分かりました。
そして、バルネアのついていない「カデシュ」という言葉が登場するのは13章から33章まででした。
また、33章は「旅のまとめ」のような部分であるということを考え合わせると、
民数記において「カデシュ」は前の方に登場し、「カデシュ・バルネア」は後ろの方に登場するという住み分けのようなものがあることに気付きます。
 
次に申命記から引用します。
 
申命記1章2節
ホレブから、セイルの山の道を通り、カデシュ・バルネアに至るには十一日を要した。
申命記1章19節
私たちの神、主が私たちに命じたように、私たちはホレブを出発し、あなたがたが見たあの大きな恐ろしい荒れ野をすべて通り、アモリ人の山地への道を経て、カデシュ・バルネアまで来た。
申命記2章14節
私たちがカデシュ・バルネアを出発してから、ゼレド川を渡るまでの歳月は三十八年であった。その間に、主が彼らに誓われたとおり、あの世代の戦士はすべて陣営の中からいなくなった。
申命記9章23節
主があなたがたをカデシュ・バルネアから遣わし、「上って行って、私があなたがたに与える地を占領しなさい」と言われたときも、あなたがたの神、主の命令に逆らい、主に信頼せず、あなたがたはその声に耳を傾けなかった。
 
 
申命記においてバルネアのつかない「カデシュ」が登場するのは二箇所で、
1章46節「こうして、あなたがたがカデシュにとどまった日々は長期に及んだ。」と、
32章51節「あなたがたがツィンの荒れ野にあるカデシュのメリバの水のほとりで私に背き、イスラエルの人々の間で私を聖としなかったからである。」です。

申命記で「カデシュ・バルネア」が使われているところは、出エジプト後の出来事についての回想の中で、
出発地点だったり到達地点だったり、あれもここだったそれもここだったと、
いずれにしてもこの場所の名は絶対に忘れてはいけないのだ、という主張を感じるような大切な地名であるということが感じられます。
それに対し、バルネアが含まれない「カデシュ」が用いられている2か所については、
まず1章46節は「こうして」ということで前段階の出来事を受けて「そういうことになってしまった理由」を説明している文であり、
32章51節の方も、「私を聖としなかったからである。」と書いてあり
この二節に共通するのは「こうなってしまった理由について」という判決の理由説明のようだ、ということです。
 
 
次にヨシュア記から引用します。
ヨシュア記にはバルネアが含まれない「カデシュ」は登場せず、カデシュ・バルネアだけが登場します。
 
 
 
ヨシュア記10章41節
ヨシュアは、カデシュ・バルネアからガザまで、ゴシェンの全土をギブオンに至るまで討ち取った。
ヨシュア記14章6節
ギルガルのヨシュアのもとにユダの一族が進み出た。ケナズ人であるエフネの子カレブがヨシュアに言った。「私とあなたのことについて、主がカデシュ・バルネアで神の人モーセに告げられた言葉を、あなたはご存じのはずです。
ヨシュア記14章7節
主の僕モーセが、この地を偵察させるために私をカデシュ・バルネアから遣わしたとき、私は四十歳でした。私は思ったとおりに報告しました。
ヨシュア記 15章3節
 
アクラビムの上り坂の南側へ出て、ツィンを通り、カデシュ・バルネアの南側へ上り、ヘツロンを通り、アダルへ上って、カルカへ回り、
 
 
 
 
 
最後に、BIBLE HUBを用いて、カデシュ・バルネアについて調べます。
 
カデシュ・バルネアはStrong's Hebrew 6947です。
https://biblehub.com/hebrew/6947.htm
קָדֵשׁ בַּרְנֵעַ
 
昨日書きましたように「カデシュ」はクフ、ダレット、シンの三文字です。右から3文字目まででカデシュです。קָדֵשׁ
そしてそのあとがバルネア。右から四文字目から最後までの四文字ベート、レーシュ、ヌン、アインでバルネアです。בַּרְנֵעַ
 
いつものように超絶便利なBIBLE HUB
Strong's Exhaustive Concordanceのところを見るとこんな風に書いてあります。
 
Kadesh-barnea
From the same as Qadesh and an otherwise unused word (apparently compounded of a correspondent to bar and a derivative of nuwa') meaning desert of a fugitive; Kadesh of (the) Wilderness of Wandering; Kadesh-Barnea, a place in the Desert -- Kadesh-barnea.
 
 
バルネアという言葉はバルと言うヘブライ語とヌワというヘブライ語を合わせた単語で、
バルは
Strong's Hebrew 1251בַּר
聖書中ではダニエル書2:38、4:12、15、21、23、25、32に合計8回登場する英語で言うところのfield、日本語の聖書では「野」と訳されている語のようです。
 
でヌワは、
Strong's Hebrew 5128 נוּעַ
これはちょうど民数記32章13節のところに使われている単語でもあり、
民数記32章13節ではוַיְנִעֵם֙
という形で登場するわけですが
主はこうしてイスラエルに対して怒りを燃やし、四十年にわたって荒れ野をさまよわせた。こうして主の目に悪とされることを行った世代の者は皆、滅び去った。」
さまようという意味があるようです。
 
というわけで、バルネアとは野をさまようこと
 
 
なので、
 
上の方に書いたような
民数記において「カデシュ」は前の方に登場し、「カデシュ・バルネア」は後ろの方に登場するというのは当然のことですね。
 
カデシュもカデシュ・バルネアも緯度経度は同じでも、そういう違いがあるのですね。