Strong's Hebrew853番אתの登場する場所を眺めようと思います。
ヘブライ語聖書の創世記1章1~4節を引用します。
1節
בראשית ברא אלהים את השמים ואת הארץ׃
2節
והארץ היתה תהו ובהו וחשך על פני תהום ורוח אלהים מרחפת על פני המים׃
3節
ויאמר אלהים יהי אור ויהי אור׃
4節
וירא אלהים את האור כי טוב ויבדל אלהים בין האור ובין החשך׃
1章1節で二度登場したאתは、2節と3節には無く、次に現れるのは4節だという事がわかります。
次に創世記1章1節から4節までのところの日本語の大体の意味を確認したいので創世記1章1~4節までを口語訳聖書から引用します。そして、אתが入っていると考えられる場所に●印を入れてみます。
わりとすんなり●印を入れられましたが、
言葉が整いすぎている翻訳聖書の中に●を入れるのは難しいと思います。
整いすぎている、というか、
例えばイザヤ書30章25節などはヘブライ語を直接訳していないような印象を受けました。
創世記1章1節から4節(口語訳)
1節 はじめに神は●天と●地とを創造された。
2節 地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
3節 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
4節 神は●その光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。
前の記事の繰り返しになりますが
すくなくとも1章1節にあるואתのאתは、וヴァヴとהארץハ・アレツの間にあって、直後のהארץハ・アレツ「地」に、悪い意味をもたらすものではなく、且つ
וヴァヴとהארץハ・アレツの間に変な隙間をもたらさない何かであると考えられます。
そして同時にאתは「天」の前にもあってもおかしくない言葉。
そういうことを考えながら2節の言葉を読むとהארץハ・アレツ「地」という言葉が在りますが、そのהארץハ・アレツ「地」にはוヴァヴが直接ついています。
הארץハ・アレツ「地」にはוヴァヴが直接つくケースもあるということになります。
しかも、2節で言っているהארץハ・アレツ「地」は1節最後のהארץと同じものであるということは「クリスチャンなら」誰も疑うはずはありません。地球以外のどこかの星の大地について言っているわけではなく、1節で造られた大地の事を言っているわけです。
2節の頭ではוהארץと言うわけですから
説明の都合上、3節をとばして先に4節に関することを書きますが
4節でאתが存在しているのは口語訳聖書で言うと「その光」という言葉の前です。
日本語の聖書の単語だけを追うと、光の前にある「その」という言葉がなにがしかの意味があり、そういった場合にאתが付くのではないか、と考えたくなるのですが、
「その光」と訳されているところにはהאורハ・オウルというヘブライ語があります。
4節を再度引用します。
וירא אלהים את האור כי טוב ויבדל אלהים בין האור ובין החשך׃
אורオウルが「光」で、その前にהという文字が付いていてこれを口語訳聖書では「その」と訳しています。
הארץハ・アレツのハと
האורハ・オウルのハは
同じהという文字で、英語で言うと「the」だと考えられているので「その」光と訳されています。
で、4節にはהאורハ・オウルという言葉が二回ありますが、
1度目のהאורハ・オウルの前だけにאתがあります。
で、前後しますが3節。
3節
ויאמר אלהים יהי אור ויהי אור׃
4節ではהאורハ・オウルという言葉が二回登場しましたが
3節にはהという文字が付いていないאורオウルが二回登場しています。
そしてここにはאתがありません。
過去にもいろいろ書いておりますのでお時間のある方はご覧ください。
創世記をヘブライ語で読んでみたらちょっと違うものが見えてきた、という話