イエスはこれをしかって、「黙れ、この人から出て行け」と言われた。
マルコによる福音書1章25節
マルコによる福音書のなかにある「イエスさまの言葉」を読んでいます。
1章17節を続けるつもりだったのですが
今朝、BIBLE HUB で次の1章25節のギリシャ語テキストを眺めていたら
Nestle 1904とTischendorf 8th Editionにλέγωνが無いことに気付き
Nestle 1904とTischendorf 8th EditionとRP Byzantine Majority Text 2005を比較のために引用します。
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ 1:25 Greek NT: Nestle 1904
καὶ ἐπετίμησεν αὐτῷ ὁ Ἰησοῦς Φιμώθητι καὶ ἔξελθε ἐξ αὐτοῦ.ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ 1:25 Greek NT: Tischendorf 8th Edition
καὶ ἐπετίμησεν αὐτῷ ὁ Ἰησοῦς· φιμώθητι καὶ ἔξελθε ἐξ αὐτοῦ.
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ 1:25 Greek NT: RP Byzantine Majority Text 2005
Καὶ ἐπετίμησεν αὐτῷ ὁ Ἰησοῦς, λέγων, Φιμώθητι, καὶ ἔξελθε ἐξ αὐτοῦ.
Καὶ And
ἐπετίμησεν rebuked
αὐτῷ him
ὁ
Ἰησοῦς, Jesus,
λέγων, saying
Φιμώθητι, Be silent,
καὶ and
ἔξελθε come forth
ἐξ out of
αὐτοῦ. him
昨日ずっとλέγωνにこだわって読んでいたので、
この単語が無いということにはすぐに気付きまして
こんな時には明治訳ということで
一応明治訳を眺めるとこう書いてあり
イエス之(これ)を責(せめ)て曰(いひ)けるは聲(こゑ)を發(いだ)すこと勿(なか)れ其處(そこ)を出(いで)よ
日本語に訳す場合、λέγωνがあろうとなかろうと「言う」という動詞を使わないと日本語らしい日本語にはならないのかも・・・と思うに至り
でも、ギリシャ語を母語に訳さずともそのまま理解できる方が読むとλέγωνの有無というのはどういうふうに聞こえるのかとても気になったので
そうだ、こんな時はグーグル先生だ、と思い、グーグルに翻訳してもらったところ
Nestle 1904
そしてイエスがフィモテティスを叱責すると、彼は彼から出て行った。
Tischendorf 8th Edition
そしてイエスが彼を叱責すると、イエスは口を閉ざして彼の中から出てきた。
RP Byzantine Majority Text 2005
そして、イエスは彼を叱責して、「黙って出て行け」と言われた。
「黙れ」というところをフィモテティスと読んでしまう事態が発生したり
イエスさまが口を閉ざして彼の中から出てくるという
とんでもない事態になってしまったのでありました。
古典の翻訳だから?
ただ、翻訳された文それぞれにとても興味深いものを感じたので
キャプチャ画像を貼っておきます。