ביום ההוא כרת יהוה את אברם ברית לאמר לזרעך נתתי את הארץ הזאת מנהר מצרים עד הנהר הגדל נהר פרת׃
引用したのはヘブライ語聖書の創世記15章18節です。
創世記15章18節には「ユーフラテス」という言葉があります。これは日本に暮らす私たちにとってもおなじみの「大きな川」であり、こういう古代のヘブライ人たちと「イメージを共有できる名詞」が出てきたらヘブライ文字の持つニュアンスを考察するチャンスだと思い、Strongのコンコルダンスで「ユーフラテス」の周辺にある言葉を眺めてみました。
まずユーフラテスという言葉は
Strong's Hebrew 6578 פְרָת です。
פペーとרレーシュとתタヴの3文字からできています。
文字の読み方から考えるとユーフラテスの「フラテ」という部分に該当するのだと思います。
で、ユーフラテス「川」という言葉は
נהר פרת で、つまり、נהר ナハル の部分が「川」という意味です。
נהרにはהר ハルという言葉が含まれていますが、הרはハルマゲドンでおなじみのハル「山」のことです。
山の前にנヌンがくっついているのが「川」だとするとנヌンという文字の持つニュアンスも考察することができるような気がします。
פרתに戻ります。
Strongのコンコルダンスでפרת という言葉の前後を眺めたところ、
פרというものがひとつのかたまりで、そこにいろいろな文字がくっついているという雰囲気がつかめました。
私はいつもヘブライ語の単語を「関数」を考えるときのように眺めています。
元となる「何か」に「一文字足したら」意味がどう変化していくのか、ということを調べ、文字それぞれのニュアンスを解読していくのです。
今日はפרという言葉からスタートし、一文字足された単語を調べます。
פרはコンコルダンスの6499番で、young bull と書いてありました。bullとは去勢していない雄牛ということなので、繁殖能力の旺盛なイメージを持てばいいのでしょうか。
そして、Strongコンコルダンスで6500番、つまりפרの次の単語は
פראでした。これはbe fruitfulとありますので、実り豊か、実りが多いということです。
一方、こんな単語もありました。Strongコンコルダンス6505番
פרד a mule muleとはラバのことです。ラバというのは雄のロバと雌のウマの交雑種で、繁殖力はありません。
פרה Strongコンコルダンス6509番これもbe fruitfulとありますので、実り豊か、実りが多い。同じ綴りの6510番は a heiferで、これはまだ子を産んでいない若い雌牛のことですから6499番と同じような状況の牛でこちらは雌を表しているのだと思います。
פרח Strongコンコルダンス6524番 これはto bud, sprout, shootということで、植物が芽を出すことを表しているそうです。
פרט Strongコンコルダンス6528番 これはレビ記19章10節に出てくる言葉で、ブドウ畑の「落ちた実」のことです。
פרי Strongコンコルダンス6529番 これはfruit 果実です。
פרך Strongコンコルダンス6531番 これはharshness, severityということで、きびしさということを表しています。
פרס Strongコンコルダンス6539番 これはペルシャです。
פרע Strongコンコルダンス6544番 これはlet go, let alone、ほかにact as a leaderリーダーのようにふるまうという意味があります。そしてこれにהヘーが付くと
פרעה Strongコンコルダンス6547番 Paroh 日本語の聖書ではパロまたはファラオと書かれているエジプト王の称号です。
פרץ Strongコンコルダンス6556番 これは以前の記事に取り上げたことのある単語ですが創世記 38:29に登場するペレツ 破裂という意味です。この言葉を意味が分かっているとペレツ ウザという名であったりペレツィムという山の名前だったりバアル・ペラツィムという言葉が出てきたときに言葉からなにがしかのイメージがわいてくるかと思います。
ちなみに、日本語の表記だと区別しにくいのでペリシテという単語も近いところにあるような感じになってしまいますがペリシテはפלשׁתと書き、פרから始まる言葉ではありません。רはRでלはLという違い、という感じです。
פלという二文字でできている言葉はStrongコンコルダンスには存在していません。פלのあとにאアレフの付いたものから登場します。
Strong's Hebrew 6381 פָלָא
これは動詞で、優れている、または並外れたものであるということを表すそうです。
6382番には同じ綴りで「驚くべき」という単語もあります。
話がそれました。
今日の調べ学習によって一文字一文字どういうイメージになるかという細かい考察をすべて書き記すことはしませんが、
一文字だけ、以前にも書いた事のあるדダレトについて書こうと思います。
ウィキペディアを見ると「扉」が起源である文字だということがわかりますが
この文字は、その前にある単語の意味をひっくり返す文字です。
繁殖力が旺盛な牛だとか実りが多いという意味を持つ単語の後ろについて今回は繁殖力のないラバという動物を表していました。
ほかにも父という意味のאָבアブという単語だったり
新緑という意味のאֵבエブという単語の
つまりאבという綴りの単語の後にדダレトがくっつくと
אבד これはNASBの翻訳語としては
annihilate (2), annihilated (1), been lost (1), broken (1), corrupts (1), destroy (33), destroyed (15), destroying (2), destroys (2), destruction (2), dying (2), fail (1), fails (1), give up as lost (1), lacking (1), lost (12), make vanish (1), makes to perish (1), no (2), obliterate (1), perish (61), perished (16), perishes (7), perishing (2), ruined (4), surely perish (3), take (1), utterly destroy (1), wandering (1), wastes (1), wiped (1).
破壊とか滅びるとかさんざんなことになります。
この単語を見るたびに思うのはヨハネの黙示録3章20節にあるラオデキア教会のイメージです。
見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。(口語訳)
神さま(アバ=父)の前にドアがある、
神さまがドアの外に締め出されている
ヨハネの黙示録に登場するアバドンという言葉は
אֲבַדּוֹןですかね?
ほかにもדダレトがくっつくと意味がひっくり返る単語
251、252番のאחは「兄弟」という意味ですがこれにדダレトがくっつくと
אֶחָד
これは「1」という意味です。