2022年11月11日金曜日

今日は、創世記11章「バベルの塔」の話に登場する「石」について思いめぐらしておりました。
 
石は אֶבֶן Strong's Hebrew 68 ebenと読みます。
א(アレフ)から始まっている言葉です。
ヘブライ文字の一番初めの文字、音のない文字、特別な文字、
父なる神さまをあらわす文字です。
その文字の後にבן
この綴りを持つ単語には
בֵּן Strong's Hebrew 1121 ben があります。
息子という意味があります。
マタイによる福音書3章9節に
自分たちの父にはアブラハムがあるなどと、心の中で思ってもみるな。おまえたちに言っておく、神はこれらの石ころからでも、アブラハムの子を起すことができるのだ。(口語訳)
というみ言葉がありますが、日本語で読んでも何も思いませんが、
ヘブライ語を調べてみると、「石ころ」と「子」という言葉の音の近さに何か意味があるのではないかと思えてきますね。
 
 
以前、岩について調べ学習をしましたが、
「神こそが岩」であると考えると
マタイによる福音書21章42~44節のあたりの話は「神さまの子が石」?
イエスは彼らに言われた、「あなたがたは、聖書でまだ読んだことがないのか、
『家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』。それだから、あなたがたに言うが、神の国はあなたがたから取り上げられて、御国にふさわしい実を結ぶような異邦人に与えられるであろう。 またその石の上に落ちる者は打ち砕かれ、それがだれかの上に落ちかかるなら、その人はこなみじんにされるであろう」。(口語訳)
それゆえ、主なる神はこう言われる、
「見よ、わたしはシオンに
一つの石をすえて基とした。
これは試みを経た石、
堅くすえた尊い隅の石である。
『信ずる者はあわてることはない』。イザヤ書28章16節(口語訳)
 
 
 
創世記11章の石という言葉からちょっと離れますが
אבןという3文字に頭にも尾にも何もついていないאבןという単語が含まれるみ言葉をコンコルダンスで調べてみました。
全部で57箇所あるようですが、トーラーに登場するものだけここに書き写してみたいと思います。
日本語の聖書の引用は口語訳から
 
創世記 49:24
HEB: מִשָּׁ֥ם רֹעֶ֖ה אֶ֥בֶן יִשְׂרָאֵֽל׃
しかし彼の弓はなお強く、
彼の腕は素早い。
これはヤコブの全能者の手により、
イスラエルのなる牧者の名により、
NAS: is the Shepherd, the Stone of Israel),
KJV: (from thence [is] the shepherd, the stone of Israel:)
INT: there is the Shepherd the Stone Israel
 
 
出エジプト記 17:12
HEB: כְּבֵדִ֔ים וַיִּקְחוּ־ אֶ֛בֶן וַיָּשִׂ֥ימוּ תַחְתָּ֖יו
しかしモーセの手が重くなったので、アロンとホルがを取って、モーセの足もとに置くと、彼はその上に座した。
NAS: Then they took a stone and put
KJV: and they took a stone, and put
INT: were heavy took A stone and put under
 
出エジプト記 28:11
HEB: מַעֲשֵׂ֣ה חָרַשׁ֮ אֶבֶן֒ פִּתּוּחֵ֣י חֹתָ֗ם
宝石に彫刻する人が印を彫刻するように、 
KJV: of an engraver in stone, [like] the engravings
INT: the work of an engraver stones engraves A signet
 
出エジプト記 28:17
HEB: בוֹ֙ מִלֻּ֣אַת אֶ֔בֶן אַרְבָּעָ֖ה טוּרִ֣ים
またその中に宝石を四列にはめ込まなければならない。
NAS: rows of stones; the first
KJV: in it settings of stones, [even] four
INT: set settings of stones four rows
 
出エジプト記 31:5
HEB: וּבַחֲרֹ֥שֶׁת אֶ֛בֶן לְמַלֹּ֖את וּבַחֲרֹ֣שֶׁת
また宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、諸種の工作をさせるであろう。
NAS: and in the cutting of stones for settings,
KJV: And in cutting of stones, to set
INT: the cutting of stones settings the carving
 
出エジプト記 31:18
HEB: הָעֵדֻ֑ת לֻחֹ֣ת אֶ֔בֶן כְּתֻבִ֖ים בְּאֶצְבַּ֥ע
主はシナイ山でモーセに語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち神が指をもって書かれたの板をモーセに授けられた。
NAS: tablets of stone, written
KJV: tables of stone, written
INT: of the testimony tablets of stone written the finger
 
出エジプト記 35:33
HEB: וּבַחֲרֹ֥שֶׁת אֶ֛בֶן לְמַלֹּ֖את וּבַחֲרֹ֣שֶׁת
また宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、諸種の工作をさせ、
NAS: and in the cutting of stones for settings
KJV: And in the cutting of stones, to set
INT: the cutting of stones settings the carving
 
民数記 35:23
HEB: א֣וֹ בְכָל־ אֶ֜בֶן אֲשֶׁר־ יָמ֥וּת
あるいは人のいるのも見ずに、人を殺せるほどのを投げつけて死なせた場合、
NAS: deadly object of stone, and without
KJV: Or with any stone, wherewith a man may die,
INT: or any of stone him died
 
申命記 25:13
あなたの袋に大小二種の重りを入れておいてはならない。
HEB: לְךָ֛ בְּכִֽיסְךָ֖ אֶ֣בֶן וָאָ֑בֶן גְּדוֹלָ֖ה
NAS: in your bag differing weights,
INT: have your bag differing weights A large
 
申命記 25:15
HEB: אֶ֣בֶן שְׁלֵמָ֤ה וָצֶ֙דֶק֙
不足のない正しい重りを持ち、
NAS: and just weight; you shall have
KJV: and just weight, a perfect
INT: weight A full and just
 
 
現代に生きるわれわれ日本人が「石」と聞く場合と
聖書の時代に生きる人々が、その地において「石」と聞いた時に受ける印象はずいぶん違うような気がします。
モーセが授かったものが石の板、
そして「不正のない」重り石、
イスラエルの部族を表す「宝石」、ですから・・・深い!
 
 
石と聞いて石焼ビビンバと火打石・・・しばらく考えて墓石が思い浮かんだ私のような者は、やはりきちんと学ばないとだめですね。あ、ビビンバではなく비빔밥ピビムパプですっ!
 
 
バベルの塔はシナル(シンアル)の地に建設されたので、創世記10章だけの情報から探すと
10:1ノアの子セム、ハム、ヤペテの系図は次のとおりである。洪水の後、彼らに子が生れた。 10:2ヤペテの子孫はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスであった。   10:3ゴメルの子孫はアシケナズ、リパテ、トガルマ。 10:4ヤワンの子孫はエリシャ、タルシシ、キッテム、ドダニムであった。 10:5これらから海沿いの地の国民が分れて、おのおのその土地におり、その言語にしたがい、その氏族にしたがって、その国々に住んだ。
10:6ハムの子孫はクシ、ミツライム、プテ、カナンであった。 10:7クシの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカであり、ラアマの子孫はシバとデダンであった。 10:8クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。 10:9彼は主の前に力ある狩猟者であった。これから「主の前に力ある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起った。 10:10彼の国は最初シナルの地にあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。 10:11彼はその地からアッスリヤに出て、ニネベ、レホボテイリ、カラ、 10:12およびニネベとカラとの間にある大いなる町レセンを建てた。 10:13ミツライムからルデ族、アナミ族、レハビ族、ナフト族、 10:14パテロス族、カスル族、カフトリ族が出た。カフトリ族からペリシテ族が出た。
日本語の聖書さまサイトより創世記10章1節から14節までを引用
 
「クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。彼は主の前に力ある狩猟者であった。これから「主の前に力ある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起った。 彼の国は最初シナルの地にあるバベル、・・・」
と書いてあるので、
おそらくはこのニムロデ(ニムロド)がバベルの塔の建設を始めたのでしょう。
「ユダヤ古代史」にもそのような記録があるようです。(ウィキペディアほんと便利)
神にたいし[このような]思いがあった侮辱的な行為に出るよう彼らを煽動したのは、ノーコス(ノア)の子カマス(ハム)の孫で、強壮な体力を誇る鉄面皮人のネブローデース(ニムロデ)だった。彼は人びとを説得して、彼らの繁栄が神のおかげではなく、彼ら自身の剛勇(アレテー)によることを納得させた。そして神への畏れから人間を解き放す唯一の方法は、たえず[彼らを]彼自身の力に頼らせることであると考え、しだいに事態(プラグマタ)を専制的な方向へもっていった。彼はまた、もし神が再び地を洪水でおおうつもりなら、[そのときには]神に復讐してやると言った。水が達しないような[高い]塔を建てて、父祖たちの滅亡の復讐をするというのである。人びとは、神にしたがうことは奴隷になることだと考えて、ネブローデースの勧告を熱心に実行し、疲れも忘れて塔の建設に懸命にとりくんだ。そして、人海戦術のおかげで、予想よりも[はるかに]早く塔はそびえたつことになった。しかもそれは非常に厚く頑丈にできていたので、[むしろ]高さが貧弱に見えるほどだった。素材は焼き煉瓦で、水で流されないようにアスファルトで固められていた。ところで、神は狂気の沙汰の彼らを見ても、[今度は]彼らを抹殺しようとは考えられなかった。最初の[洪水の]犠牲者たちを破滅に導いても、その体験が子孫たちに知恵を授けることにならなかったからである。しかし神は、[彼らに]いろいろ異なった言葉(アログロッソイ)をしゃべらせることによって彼らを混乱(スタシス)におとしめられた。言葉が多様になったため、互いの意志が通じなくなってしまったのである。なお彼らが塔を建てた場所は、[かつてはすべての人が]理解できた[人間の]最初の言葉に混乱(スユンキュシス)が生じたので、現在バビュローン(バビロン)と呼ばれている。というのも、ヘブル人は混乱[のこと]をバベルと呼んでいるからである。この塔[の話]と人間の言葉の混乱(アロフオーニア)に関する[話]は、次のシビュラの言葉にも記載されている。
そして、
 
ウィキペディアにはニムロドについて書かれているページもあります。
 
12月25日はニムロドの誕生日らしい。😱