2016年8月1日月曜日

偶像(1)

今朝は通読箇所の他に黙示録の七つの教会のところを読みました。

で、ちょっと気になった「ニコライ派」という言葉。どんな教えのことなのかと検索してみましたら、中学生の頃ほぼ毎日聴いていたラジオ番組のサイトにとてもわかりやすい説明があり感謝でした。
http://www.jesus-web.org/radioprg09/prg_box190_20090325.htm

…偶像。



一瞬、「偶像かあ。じゃあ私には関係ないこと」という思いになりました。
しかし次の瞬間、いや、待てよ、偶像って…



クリスチャンは、おそらく偶像なんて拝まないでしょう。金メッキされた像とか、石を削った物とかその手の物など聖書の言葉を知っているクリスチャンが「通常は」そんな物を拝むはずなんて無いと思います。
しかし、
「偶像」が文字通りの「像」でなかったならば、偶像を避けることは難しいかもしれません。









先日、私は一本の動画を見ました。それは以前所属していた集会で人気のあった伝道者の方の動画でありました。
しかし、視聴し始めてそれほど経たないうちに、私はその動画を見なければよかったと後悔しました。
https://youtu.be/FBtiC7m4GS4?t=11m56s

実はそのメッセージには、原発に関連した内容が含まれていました。
伝道者の彼は軽い調子で「福島でがんは増えていない」と語りました。

医師でも研究者でもない、ご自分で調査をしたわけでもないはずの彼がなぜそんなことを断言できるのか知りませんが、彼は「福音」を語るために上がった壇の上からそう聴衆に語りました。





しかし私は、岡山大学の津田敏秀教授の論文により福島では少なくとも甲状腺がんは増加していると認識しています。
もっと言うとそれは福島だけの問題ではなく、群馬県内に住む私の親族でも成人の一人が膀胱がん、別の一人が心疾患、別の三人に謎の大きな腫瘤(ピンポン玉大)がそれぞれ身体の数か所にでき、そしてさらに別の二人の「男性」は甲状腺の疾患を発症しました。
申し添えるなら、がんについては家系的にそういう疾患が多いわけではなく、腫瘤についても甲状腺疾患についても初めてそういう病名を親族から聴いたので驚いているのと、彼らに共通する考え方や生活習慣がこういう文章を書いている私自身とは真逆・・・というかそれ以上の積極性を感ずるものであったので、悲しみと恐怖を覚えているわけであります。
また、甲状腺専門を標榜する医院の新しい看板を高崎市や伊勢崎市で目にしました。

甲状腺がんの発生と原発事故の因果関係を否定する学者がいることは知っていますが、これは公害病をはじめ、私も経験しましたが薬害や予防接種による健康被害などが起こるたびに必ず繰り返される「被害自体の存在の有無と被害者と認定するか否かの問題」ということと同じなのだろうと思っています。
そういう将来を見据えて、今は国の持てる力を結集して「因果関係はなかった」ことにしようとしているのでしょう。研究者や医療者も、国がつぶれない限りにおいては国に恩をっておく方が得でしょうから、一生懸命ですよね。
放射線による被害は、きわめて特異的である「甲状腺がん」でさえこれほどもめるのだとすれば、それ以外のことについては、
なにしろ現代社会における人体のことです、有害な化学物質の影響だって山ほどある上に心の問題もあるわけですから、誰が見ても明らかだと言えるような直接的な因果関係の証明はできないのかもしれません。

被害に遭われた方は本当に悲惨だと思います。こういうことによる被害は、被害自体の悲惨さだけでなく、信頼していたものに次々と裏切られる大きな悲しみが伴うものだからです。








さて、

伝道者である彼の話は続きます。

節電でエアコンがなくて暑かった→電気要るよね→原発要るよね 
放射能を怖がる人々は「感情的」だと批判。
「原発が事故を起こす確率はきわめて低い」と、
嘲笑うかのごとく語る伝道者

共に笑う聴衆


本当にこれは神さまからのメッセージ動画ですか?

この地球を造られた主は、人間が排出し続ける処理することのできない猛毒についてどう思っていらっしゃると思いますか?

もちろん、罪人のなす事だからこのことに限らず所詮何をやったって完ぺきではない、たとえ原発を動かさなかったとしても、生きて動いているということ自体が害悪だ、というような発想が罪を自覚した者としてないとは申しませんけれども、

だから仕方ないんだ、だから何をやったって良いんだ、人間が生きていくためには仕方ないんだ、今生きている我々が快適に生活ができればいいんだ、あとは野となれ山となれだ、
で良いのですか。

そう言うと…ナルドの香油の話が出てくるのかな。
そして、「身体の弱い人々にエアコンは必要なのだ」とか「福音集会を快適にすることを主は喜ばれる」とか言うのかな。


しかし、事故から5年経ってもまだまだ放射性物質を放出し続けている、全然アンダーコントロールなんかじゃない福島、収束なんてしていない福島、作業員の方々が連日とてつもない被ばくを強いられている福島を抱えているこの国で、「次の事故が起こる確率は低いんだよ」と言って原子力発電を推奨することが、本当に、本当に御心なんでしょうか。
いや、次の事故などという遠い未来のことを語るような口調で言っていられる状況ではありません。余震だけでも年がら年中揺れ続けている福島のことです。再びとんでもない事態があそこで起こるかしれません。
そして、もしそうなったら

日本は終わりです。


そもそも、この狭っ苦しい島国で、世界の活火山の約1割がある日本で、世界の地震の2割が日本周辺で発生しているのに原子力という選択肢があるということ自体がおかしかったのです。そのことに早くから気付いていた人々は以前からいろいろな事態を想定して指摘をなさっていたわけですが、
原子力は資源の乏しい日本を救うクリーンなエネルギー、
安心安全、
プルトニウムは飲んでも大丈夫!
みたいなキャンペーンによって洗脳された「私のような馬鹿」は全く分からなかったのです!痛い目に遭ってみなければ分からない馬鹿!
本当は福島の事故を引き起こす前に気付くべきだったのです!
そして気付いたら角笛を吹くべきだった!
しかしそれが出来なかったから取り返しの付かない大きな事故を起こしてしまった!!


動画の一時停止ボタンを押しました。

クリスチャンなのだから土台は一緒だろうと思って動画を見始めたわけですが土台が違っていることに気付いたからです。

彼が土台としていたのは「科学的」と呼ばれる「非科学」なものでした。
「科学的に」云々と人が語るとき、語っている人はたいてい科学者ではありません。
自分の言葉に箔をつけるために「科学的」という言葉を使うのです。
そして、「科学」とは絶対的なものでないことを「科学的に」と語る人は知りません。
だから「科学的に」という言葉に絶対的な力があるような論調になるのです。
「科学」とは日々刻々と変化しているものであり、謙虚なものです。
機会のある方はぜひ本物の科学者の語る言葉をお聞きください。
大きな大きな不思議な不思議な「自然」を見続け、聴き続け、考察し続けている科学者たちは人間の小ささを良く知っています。
「経験的にはこうであり、これまで90パーセント以上の確率でこうであったが・・・」
ある日突然「そうではなくなることがある」と彼らはよく知っているからです。
そして、まだまだすべてのことが分かっているわけではないからこそ研究者は研究を続けているわけです。研究者が存在しているのは研究のネタが尽きていないからであって、ネタが尽きていないということであればすべてのことをわかっているわけではないということ。



私は彼の姿が大きく映っていたテレビのスイッチを切りました。






厳しい基準をクリアして記者を集めてスイッチ入れたら警報機鳴って赤っ恥。
最高水準の科学が聞いてあきれた。









あなたがたは、ひとつかみの大麦のため、少しばかりのパンのために、まやかしに聞き従うわたしの民にまやかしを行い、死んではならない者たちを死なせ、生きてはならない者たちを生かして、わたしの民のうちでわたしを汚した。
エゼキエル書13章19節




唯一の被爆国であり、どこの国の人々よりも核の恐ろしさを知っていたはずなのに、福島第一原発事故後、この罪深い国は「放射性物質の取り扱いのイロハのイ」すら完全に無視し、汚染された地域の経済活動を止めず放射能を全国に拡散させてしまいました。

ひとつかみの大麦のために
あることはないことにされ、
オリンピックの誘致までし、
真実を語れば風評被害だと大声で封じ込められ、
少しばかりのパンのために死んではならない者たちを死なせる道を選びました。

さらにこの国は、国防のためになにがなんでも核を手放したくはなく、
この国の一流大学の研究者や評論家に、巧みな言葉を語らせて
大丈夫ではないのに大丈夫だと信じさせ
無条件に安全ではないのに無条件に安全であるかのごとく語り
民の心を偽りの言葉で満たしてしまったのです。

そして、ついには伝道者さえも
主の御言葉を取り次ぐべき講壇で・・・
ああ、その瞬間「科学」はまぎれもなく偶像となり、
彼は神さまの権威を引きずり下ろした。




主にある者にとっての「科学」とは、
大前提として、主の造られた秩序をそして被造物を破壊してはならないのです。
破壊するのは破壊者が成すことです。
破壊者=悪魔とかサタンとか言われているもの の思いは「罪」です。
罪とは、先々のことを考えず、今ここに生きる自分さえエアコンにスイッチを入れられればいいという身勝手なものです。

もちろんクリスチャンは禁欲主義になれなどと神さまから言われてはいません。しかし、私たちに与えられている自由は神さまの定められた秩序の中でのものです。エデンの園は楽園でありましたがそこにも創造主である神さまの定められたルールがありました。そのルールは人間に命を与えゆたかに守り、保つものでありました。逆に言えばそのルールを破る者は命を失い、楽園から放り出される。
また、人間は神さまに似たものとして造られましたから創造力に富み、他の被造物とは比べものにならない極めて高い能力を持っています。しかし、その能力を行使するにあたってもルールがあるのです。「バベルの塔」を作ってはいけない、それが主の教えです。

ですから、世の人の言う「科学」によって何か一つの結論が得られたとしても、それが神さまの御心からずれているならば、例えば被造物を破壊するものであったり、
弱い者を苦しめるものであるなら、どんなに素晴らしい技術であれ、それは用いない。
もしも、当初はそういう危険が分からず、悪意はなく、良かれと思って利用していたら大きな失敗を犯してしまったというのなら、
…人間は不完全ですからそう言うことは多々あるわけですけれども、そういう場合には方向転換をする。すなわち悔い改める。
これが聖書を土台とする者の「行い」ではないでしょうか。






ところで、伝道者の彼は動画の中で放射能は見えないし云々と語っておられましたが
そうですね、たしかに放射能自体は肉眼では見えません。
しかし本当は、神さまはしっかりと肉眼でも見えるようにしてくださっているんですよ。
神さまが造られた声なき弱き小さな被造物を通して。

放射能により突然変異したムラサキツユクサ




この小さな被造物から
神さまの声が聞こえませんか?

自分は人間
これは植物

ではありませんよ。遺伝子はいっしょですよ。
中学生にも高校生にも授業で教えますよ。
デオキシリボ核酸ね。塩基はアデニン、グアニン、シトシン、チミンね。
DNAはとっても大切なものですから
神さまは、素敵な二重らせんというデザインにして、傷付いても修復する力を生き物にお与え下さったのですよ。
これも高校で教えますよね。どうやって修復するのかということもね。

しかし、そのような素晴らしいシステムを備えていたにもかかわらず
植物たちはこのような姿になってしまった!
彼らは神さまの定められた姿を保つこと、
神さまが与えてくださった美しい姿を発現することが出来なくなった!

・・・伝道者の方がよく知る群馬県でのことですよ。


そして、容易に観察できる形質に異常は起こっていないように見えたとしても、生殖細胞のDNAに異常が起こっているならば子孫に何を伝えることとなるのか

ばらまかれた放射性物質から出る放射線による害とは、そういうものです。

がんが増えたの増えないのという一点において断定的にものを語り人々を間違った方向に導いてはいけない。
しかも実際にはがんは増えている。それも子どもたちのがんが。
高齢者ががんになるのはアダムによってもたらされた事情による身体のシステム上それはそれほど稀なことではありません。しかし、子どもががんになるというのは全く日常的なことではない。それは誰もが心に置いておくべき事です。

子どもの甲状腺がん。
…そんな幼いがん患者が
そんな特異的ながん患者が
あんなにたくさんいるという事態が
あるわけなんかないのですよ。

甲状腺ホルモンの材料として必要なヨウ素として放射性ヨウ素を取り込んでしまった幼い命。代謝が活発な幼い命。
ああ!






それにしても、がんを患う人の数が増えたとか増えていないとかそういう言い方を彼はされましたが、
闘病中の患者さんとご家族の方たちの存在を無視するその言葉
…がんで愛する方を亡くされた方の言葉とはとても思えませんでした。
その点でも私は大きな大きなショックを受けましたし、

本当に、がっかりいたしました。











科学もそうですが、伝道者も偶像化されがちです。

この時代、皆さま本当にお気を付けください。
100パーセント間違っていることを言っているならだれでもわかるのです。
そうではないから・・・

主の教会を傷つけるような場所でこの言葉を発することにならなかったことに感謝いたします。