2019年4月16日火曜日

【調べ学習】杖について聖書辞典と本で調べてみた

今日も朝から杖について考えておりました。
で、そろそろ辞典を見てもいいかな、ということで
いのちのことば社から1985年に発行された新聖書辞典で調べてみました。


辞典にはまず、杖には四つのヘブライ語(辞典本文ではヘブル語となっている)があると書いてあります。

マッケール、マッテ、ミシュエネス、シェーベトゥで4つともほぼ同じ意味だそうです。

ギリシャ語で杖はラブドスと言うのだそうです。

で、ちょっと驚いたのは、杖はときとして鞭と同義だと書いてあったこと。
でそれについては詩篇23:4が示されていました。

前回疑問だったレビ記の27章とエゼキエル書の20章のところの杖の下をくぐるとか杖の下を通らせるという表現についても辞典には言及があり、
羊の数を数えるということのようでした。そこから、神の選民を数えるときにも象徴的に使われ、
あとは、黙示録21章15,16節の、新改訳聖書では「さお」と訳され、新共同訳聖書では「ものさし」と訳されているものが元の言葉としては「杖」??

辞典にそう書いてあったのでBIBLE HUBでギリシャ語を検索したのですが…
黙示録21章15,16節のところ「さお」「ものさし」はκάλαμον、καλάμῳと書いてあり、https://biblehub.com/greek/2563.htm
見渡しても杖という意味のῥάβδος rhabdos(ラブドス)がない。

Revelation 21:15
https://biblehub.com/texts/revelation/21-15.htm
Καὶ ὁ λαλῶν μετ’ ἐμοῦ εἶχεν μέτρον κάλαμον χρυσοῦν, ἵνα μετρήσῃ τὴν πόλιν καὶ τοὺς πυλῶνας αὐτῆς καὶ τὸ τεῖχος αὐτῆς.
Revelation 21:16
https://biblehub.com/texts/revelation/21-16.htm
καὶ ἡ πόλις τετράγωνος κεῖται, καὶ τὸ μῆκος αὐτῆς ὅσον τὸ πλάτος. καὶ ἐμέτρησεν τὴν πόλιν τῷ καλάμῳ ἐπὶ σταδίους δώδεκα χιλιάδων· τὸ μῆκος καὶ τὸ πλάτος καὶ τὸ ὕψος αὐτῆς ἴσα ἐστίν.


κάλαμον、καλάμῳは
NASB の翻訳では
measuring rod , pen , reed , rod と訳されており、 reedとは、葦のことですよね・・・。杖と言うよりも棒・・・。

で、聖書協会の検索で杖という語を検索してみたところ
黙示録21章ではなく、
黙示録11章1節のこのみことばが辞典の言うところの杖がものさしとしているされている箇所ではないかと思いました。

それから、わたしは杖のような物差しを与えられて、こう告げられた。「立って神の神殿と祭壇とを測り、また、そこで礼拝している者たちを数えよ。 

この11章1節のみことばのギリシャ語をBIBLE HUBで調べたところ、


Καὶ ἐδόθη μοι κάλαμος ὅμοιος ῥάβδῳ, λέγων· Ἔγειρε καὶ μέτρησον τὸν ναὸν τοῦ θεοῦ καὶ τὸ θυσιαστήριον καὶ τοὺς προσκυνοῦντας ἐν αὐτῷ.
と書いてありました。
https://biblehub.com/texts/revelation/11-1.htm




辞典では、
杖の用途として
人が歩くとき、羊を保護するとき、
武器として、
羊を数えるとき、子どもを懲らしめたり奴隷に対してつかわれていたとし、

また、神の怒りを表したり、権威の象徴として、杖という言葉が用いられていると書かれていました。


あと、今日は1979年に発行された
「羊飼いが見た詩篇23篇」
W・フィリップ・ケラー 著/ 舟喜順一 訳
という本の110ページから123ページ、「あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです」という項を読んでみました。
ものすごく深い話で感動し、そして驚きました。


「杖の下を通る」ということは上で書きましたように羊を数えることには違いないようなのですが、この本の著者W・フィリップ・ケラー氏によると、
杖の下を通るということで、まずは「所有者の支配と権威の下に入る」という意味があるらしいのですね。で、それは具体的には「所有者である彼の注意深い、細かい、直接の検査を受けるということ」「念入りな注意をもって、健康を確かめるために調べられた」ということのようなのですね。
羊は毛が長いために病気や傷を探し出すのが大変らしいのですが、良い羊飼いは羊が囲いを出て門を通るときに、一頭一頭「棒」で止め、「棒」で毛をあけ注意深く調べるのだそうです。
また、羊飼いにとって「杖」とは
羊を引き寄せて親しい関係に入れるための道具として
羊を打つのではなくやさしく脇腹にさわり、親しく触れ合いながら導いていくための道具として
羊が緑の草をむさぼって海に落ちてしまったときや、同じような理由で野ばらやいばらの中で毛がからまって動けなくなってしまったときに救い出す道具として
使うものなのだそうです。


本には、私たちにとっての「杖」が何であるのか、
そこまでの言及もあり


深い深い神さまの愛をあらためて知ることができました。