2019年4月15日月曜日

【調べ学習】詩編2編の鉄の杖

詩編2編9節
お前は鉄の杖で彼らを打ち 陶工が器を砕くように砕く。」


詩編2編9節鉄の杖の「杖」という語はבְּשֵׁ֣בֶטでbə·šê·ḇeṭ
https://biblehub.com/hebrew/beshevet_7626.htm
詩編2編9節のほか
Judges 5:14
2 Samuel 7:14
Isaiah 11:4
Lamentations 3:1
で使われています。

そのほかの「杖」という単語でBIBLE HUBを見ていて気になったものをピックアップします。日本語の聖書は口語訳です。

Psalm 110:2 maṭ·ṭeh
https://biblehub.com/hebrew/matteh_4294.htm
HEB: מַטֵּֽה־ עֻזְּךָ֗ יִשְׁלַ֣ח
主はあなたの力あるつえをシオンから出される。
あなたはもろもろの敵のなかで治めよ。

Psalm 23:4 šiḇ·ṭə·ḵā
https://biblehub.com/hebrew/shivtecha_7626.htm
HEB: אַתָּ֥ה עִמָּדִ֑י שִׁבְטְךָ֥ וּ֝מִשְׁעַנְתֶּ֗ךָ הֵ֣מָּה
たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、
わざわいを恐れません。
あなたがわたしと共におられるからです。
あなたのむちと、あなたのつえはわたしを慰めます。

Psalm 89:32 ḇə·šê·ḇeṭ
https://biblehub.com/hebrew/veshevet_7626.htm
HEB: וּפָקַדְתִּ֣י בְשֵׁ֣בֶט פִּשְׁעָ֑ם וּבִנְגָעִ֥ים
わたしはつえをもって彼らのとがを罰し、
むちをもって彼らの不義を罰する。

Micah 5:1 baš·šê·ḇeṭ
https://biblehub.com/hebrew/bashshevet_7626.htm
HEB: שָׂ֣ם עָלֵ֑ינוּ בַּשֵּׁ֙בֶט֙ יַכּ֣וּ עַֽל־
今あなたは壁でとりまかれている。
敵はわれわれを攻め囲み、
つえをもってイスラエルのつかさのほおを撃つ。

Micah 7:14 ḇə·šiḇ·ṭe·ḵā
https://biblehub.com/hebrew/veshivtecha_7626.htm
HEB: רְעֵ֧ה עַמְּךָ֣ בְשִׁבְטֶ֗ךָ צֹ֚אן נַֽחֲלָתֶ֔ךָ
どうか、あなたのつえをもってあなたの民、
すなわち園の中の林にひとりおる
あなたの嗣業の羊を牧し、
いにしえの日のようにバシャンとギレアデで、
彼らを養ってください。



杖という言葉を調べていてレビ記の27章とエゼキエル書の20章のところで
杖の下をくぐるとか杖の下を通らせるという表現に出会いました。
Leviticus 27:32 haš·šā·ḇeṭ
HEB: יַעֲבֹ֖ר תַּ֣חַת הַשָּׁ֑בֶט הָֽעֲשִׂירִ֕י יִֽהְיֶה־
牛または羊の十分の一については、すべて牧者のつえの下を十番目に通るものは、主に聖なる物である。
Ezekiel 20:37 haš·šā·ḇeṭ
HEB: אֶתְכֶ֖ם תַּ֣חַת הַשָּׁ֑בֶט וְהֵבֵאתִ֥י אֶתְכֶ֖ם
わたしはあなたがたに、むちの下を通らせ、数えてはいらせ、あなたがたのうちから、従わぬ者と、わたしにそむいた者とを分かち、その寄留した地から、彼らを導き出す。しかし彼らはイスラエルの地に入ることはできない。こうしてあなたがたはわたしが主であることを知るようになる。
https://biblehub.com/hebrew/hashshavet_7626.htm
杖の下をくぐるとか杖の下を通らせるとは、これまで全く意識したことがありませんでしたが「分ける」という意味なのでしょうか、羊は右で山羊は左というような感じの・・・?


そのほか、日本聖書協会の検索を利用し杖という語を検索した結果
ちょっと気になった箇所

イザヤ書14章5節
主は、逆らう者の杖と 支配者の鞭を折られた。

イザヤ書36章6節
今お前はエジプトというあの折れかけの葦の杖を頼みにしているが、それはだれでも寄りかかる者の手を刺し貫くだけだ。エジプトの王ファラオは、自分を頼みとするすべての者にとってそのようになる。

イザヤ書10章24節
それゆえ、万軍の主なる神はこう言われる。「シオンに住むわが民よ、アッシリアを恐れるな。たとえ、エジプトがしたように 彼らがあなたを鞭で打ち、杖を振り上げても。

 
イザヤ書9章3節
彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を あなたはミディアンの日のように 折ってくださった。 


エレミヤ書48章17節
周囲の民よ、皆モアブのために嘆くがよい。その名を知っている者はすべて 「威力の笏、栄光の杖は折られた」と言え。

哀歌3章1節
わたしは 主の怒りの杖に打たれて苦しみを知った者。

エゼキエル書21章15節
殺戮のためにそれは研がれ 稲妻のように磨かれた。我らは喜びうるか わが子の王笏が 他のすべての杖を侮るのを。

エゼキエル書21章18節
それは試みを経たものである。もし、それが侮る杖でないとしたら、一体何であろう、と主なる神は言われる。

出エジプト記4章20節
モーセは、妻子をろばに乗せ、手には神の杖を携えて、エジプトの国を指して帰って行った。
民数記17章17節
イスラエルの人々にこう告げなさい。彼らのうちから、父祖の家ごとに杖を一本ずつ取りなさい。すなわち、彼らの父祖の家の指導者すべてから十二本の杖を取り、その杖におのおのの名前を書き記し、


杖は

モーセの杖、アロンの杖であらわされた主のみわざを想起させるものであったり、
王のように権力のある者の力を思い起こさせるものであったり、
杖の下をくぐるという表現で見たような選別するようなニュアンスがあったり、
主の怒りを表す杖であったり、

これまで私は詩篇23篇のこの箇所などを
「私は羊だから」程度の気分でさらっと読み流していましたが

たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、
わざわいを恐れません。
あなたがわたしと共におられるからです。
あなたのむちと、あなたのつえはわたしを慰めます。(口語訳)

 いろいろなみことばにおける杖という言葉を眺め渡した場合に、
あなたのむちと、あなたのつえがどうしてわたしを慰めることになるのか
ということについて
単に「私は羊だから」ではないもっと深い部分があるのだ、と思うに至りました。

で、そういうこと全部を合わせてみて、
その上で「鉄の杖」と考えたとき、

材質が木ではなく、鉄であるということによって
「ただ事ではない事態」「とんでもないおそろしさと強さ」を
調べる前よりも感じております。