2015年10月9日金曜日

「乳幼児から放射性セシウム検出されず」ってさ(怒)

毎日新聞のサイトで記事を読んで頭に血がのぼってしまいました。


何を怒っているのかというと、

1.近ごろでは、関東に在住の、しかも食品にとても気をつかっている方々の尿からも放射性セシウムが検出されているということを知っている。


2.甲状腺がんや甲状腺の疾患は確実に増えていることを肌で感じている。(甲状腺の問題に関する新しい看板を作って宣伝を始めた医院が高崎と伊勢崎にあることを知っている。)


3.特徴的な重い病にかかる方が周りでも確実に増え、また、突然死も増えている。(親族や知人)
そして近所では心臓の奇形を持つ赤ちゃんが2名(2軒)心臓検診で引っかかった小学生が2名(前述の赤ちゃんの家とは別の2軒の家の子どもたち)


という体感の中にあるが


1.原発事故は遠い過去のもの、終わったこと、だと考えるようにマスコミが旅番組やワイドショーで人々を誘導。そして人々が、「確実に放射能汚染のある場所」に観光で出かけ、ほこりを立てながら歩き、土や植物に触れ、海水に身体や顔をつけ、もしくは基準値をわずかに下回る魚を捕って食べて喜んでいる姿を積極的に報道したり、「食べて応援」することが美徳であり健康に何も悪いことはないと言わんばかりに城島くんに24時間マラソンを走らせるようなことをしている。


2.そして、「鼻血」の問題。2011年の事故直後にそれは新聞記事にもなっていたし、自民党の議員も取り上げていたのに、なぜかほとんどのマスコミが沈黙してしまった。


というような中にあり、今回のこの記事がまた新たに

「放射能ってけっこう安全でしょ」アピールをしていると感じたのではらわたが煮えくり返ってしまったのです。

人は皆、自分に都合の良いことを聴きたがるものです。

大手メディアがああいう断定的な見出しで報道することの害悪に気付いてほしいと思います。

論文の紹介をするというような時には、目新しさだけでなく、落としてはいけないポイント、というものがあることを忘れないでほしい。多くの人はソースにあたらず記事を読むだけなのですから。





それでは
祈りつつ、引用文(太字黒い文字)に併記する形で
思うことを紺色の文字で書いておきたいと思います。






「東京大などの研究グループは8日、東京電力福島第1原発事故を受け0〜11歳の子ども2707人の内部被ばくを調査した結果、体内から放射性セシウムは検出されなかったと発表した。乳幼児などを対象にした内部被ばくの大規模な調査結果が公表されたのは初めて。論文は9日、日本学士院の科学雑誌の電子版に掲載される。」

・0〜11歳の子ども2707人の内部被ばくを調査をしたのは住民の要望によるものなのか研究グループの「被ばく予想」に対する答を求めるためなのか。それとも研究者の興味ではなく国の命令による調査なのかこの記事からはわからない。主体者が誰であるかによって設定条件が変わると考えられ、また、結論の表現の仕方が変わるはずなので毎日の記者さんにはここをきちんと書いてほしいと思う。

・体内から放射性セシウムは検出されなかったという結論らしいが、何故セシウムだけを問題にするのか。セシウム以外の放射性物質について調査はしなかったのか。それとも、検出されなかったのがセシウムだけだったという意味かこの記事ではわからない。

「乳幼児などを対象にした内部被ばくの大規模な調査結果が公表されたのは初めて。論文は9日、日本学士院の科学雑誌の電子版に掲載される。」…そりゃ、今どきこのネタ関連は何をしても初めてだからね、学者は楽しくて仕方がないだろう。



「研究グループによると、検査は福島県内の病院3カ所で乳幼児用に開発したホールボディーカウンターを使い2013年12月〜15年3月に実施。約7割が福島県在住で、宮城や茨城県などの在住者もいた。装置の検出限界値は成人用の5分の1以下の50ベクレルに設定し、すべての子どもで検出されなかった。」

・調査に参加した子どもたちはどういう基準で選んだのかこの記事ではわからない。県名だけではなく論文には詳細が記録されているのだろうか。また、原発事故当時の行動の詳細もわかっているのだろうか。身長、体重、生活パターン、体質(便秘しがちとかそうでないかとか)、病気服薬の有無とか、いったいどういう基準で2707人選んだのだろうか。
・ホールボディカウンターだけでの結論?
・50ベクレルを検出限界値に設定したと言っているが、セシウム137が1ベクレルあればセシウム137の原子が約14億個も存在しているっていうことだからね、「すべての子どもで検出されなかった。」とするこういう発表の仕方は素人相手に汚いんじゃないかと私は思う。



「不検出の場合、年間の内部被ばく量は16マイクロシーベルト以下と推計され、外部被ばくを含めた追加被ばく線量の国際的な限度値年1ミリシーベルトを大きく下回るという。
 また、検査対象の保護者に福島県産のコメや野菜、水道水を避けているかアンケートしたところ、内陸部の福島県三春町では「すべて避けている」と回答したのは362人のうち4%にとどまった。研究グループは「福島産の食材を口にしている子どもも、内部被ばくの健康リスクは低いことが確認された」と指摘している。」


 「また、検査対象の保護者に福島県産のコメや野菜、水道水を避けているかアンケートしたところ、内陸部の福島県三春町では「すべて避けている」と回答したのは362人のうち4%にとどまった。」と言うが、なぜ全体の平均ではなく唐突に三春町の4%という数値だけを取り上げるのか。他の自治体では何%の保護者がすべて避けていたと解答したのか。この記事を読む限りにおいては三春町以外は90%以上だったのではないかと想像することだって可能だ。
たまたま三春町が4%という低い数値であったからというので、印象操作をする目的でこれを利用したのではないのかと想像することだって可能だ。
調査対象の約7割が福島で残り3割は宮城、茨城などだということで、「など」がどこの県かわからないが、わざわざこのような検査を受けに来るということは、被ばくを心配している保護者であるだろうということが予想されるので、そうそう無防備な生活をしているとは思えないのだが。

・…それに、だ。あえてお尋ねするが、そもそも市場に出まわっている食品は安全なんだろう?検査していない高汚染地の家庭菜園のものを食べ続けていた群が内部被ばくの健康リスクが低かったというのならニュースだろうが、福島県産を避けていた避けていないとはどういう意味なのか。福島県産はやはり危険であるかもしれないと予想した上で相関を調べるためそういう調査を行ったとしか聞こえないが。




「内部被ばくを巡っては、福島県が成人や子どもを対象に2011年6月から今年8月まで延べ約26万5000人を対象に検査を実施し、大多数について放射性セシウムは検出されなかった。」


・大多数とは何人なのか。この調査でも子どもから放射性セシウムは検出されなかったのか。のべ人数で表されているが、検出された人は常に同じ人々だったのか。それとも後になって検出されるようになったり逆に不検出になった事例はあったのか。最近の健康状態と放射性セシウム検出の有無には相関関係があったのか無かったのか。
論文についての記事だったはずなのに関連事項として福島県の検査結果をここに加えることの意味は、原発事故によって放射性物質が比較的多くまかれてしまったとされる地域の人々からとにかく「放射性セシウムが検出されなかった」と言いたいだけなので、私が指摘したようなことはここに書く必要はないし興味があるんなら自分で調べろ、と記者さんは思うかもしれないが、



「放射性セシウムが検出されなかった」という調査結果がニュースだというのなら

そもそも、そんな内部被ばくするかもしれないけどよくわからない、一か八かという食べ方飲み方は当初から禁止すべきだった。
それどころか、全ての国民が憲法で言うところの健康で文化的な生活を営むために、汚染地から人々を強制的に引き離し、汚染地での経済活動を国が一切禁止すべきだったのではないのかとさえ思う。



福島産を食べていた人も大丈夫でした、っていう結論がもし今回出されたというのなら、このデータをもって初めて大丈夫だったという結論なのだ。
(検出限界は50ベクレルでちょっとアレだけど…。)

つまりこれまではわからなかったのだ。
大丈夫なのかどうかわからなかった。
わからないのに大丈夫だと言われていたので
調査対象者はそして多くの人々はずーっと食べたり飲んだりしていたって事だ。


…人体実験だよね。






そして、
重要なことは
50ベクレル出たとか出ないとかというよりも、
それによって身体に異常が起こるのか起こらないのか、ということ。

…そして、言うまでもないことだが
このことによる異常は絶対出してはいけないのだ。

ただ、

ツイッターを見ていたらどこかの方が、
どんなに気をつけていたって何をしていたって病気にもガンにもなる
と言っておられたのを読んで

…そう、病気の因果関係なんて絶対わからないって言うんだよみんな。
特徴的で因果関係が明白なものまでも
本当はわかっていてもわからないことにされる。
BCGを打ってBCGの形に腫れていてもBCGとの因果関係は不明だと言ってのける事が出来る、煙にまくのがうまい高学歴高偏差値の学者と医者と役人でまわしている国だから。



ああ、放射能。

いやな国になったものだ。








追記

メディアが、

弱者の立場に立たず

為政者側に立った報道をするようになる


これが「戦争」の始まりです。





論文に出会えたので、リンクを貼っておきます



三春の4%の話、362人の子どもたちのうち105人はbottled waterを飲んでいるんです。46人が福島産米を避け、50人は福島産の野菜を避けている。

で、4%って言うのは、それら3つ、水も米も野菜も全部避けていた人の割合なんですね。全部避けていた人の割合だけを取り上げるっていうのはやはり印象操作が否めない。


そして、南相馬に本籍があり南相馬に現在も居住している人に至っては

638人中507人が水を避け、492人が米を避け、465人が野菜を避けている。で、それら全てを避けているのは全体の57%。だそうです。

ベン図もあってわかりやすかった。