私が読んでいる新共同訳聖書には聖書を読むのに便利な付録がいろいろついているのですが、中でもこれは大変便利!と思ったのは
「新約聖書における旧約聖書からの引用箇所一覧表」というものです。
各書でどこが引用されているのかが一目でわかるのです。
新改訳を使っていた時にも引照付きの聖書を使っていたので、どこが引用されているとかどこと比較して読むと良いとかいうことが読んでいる最中にわかってとても便利でしたが、一覧表になっていると、傾向みたいなものが見てとれますよね。
で、それぞれの書でどこが何回引用されたのか、ということを数えてみました。
各書に登場するのが早かった順に書物名を拾い、その書の中での登場回数を数えました。
つまり、例えばマタイによる福音書では、一番最初1章23節ににイザヤ書の引用が見られたので、まずはイザヤ書という名を書き、マタイによる福音書の中で、イザヤ書からの引用が何回であるか数えたら、11回だったので、「イザヤ書11回」と書きました。そして、2章6節にミカ書から引用されていたので、イザヤ書の下にミカ書と書き、マタイによる福音書の中でミカ書は全体として何回引用されているのか数えたら2回だったので「ミカ書2回」と書きました。
また、参考までにモーセ5書を太字でアンダーライン、各書で最も引用回数の多い書の背景色を黄色で塗りました。
マタイによる福音書
イザヤ書11回
ミカ書2回
ホセア書3回
エレミヤ書1回
申命記13回
詩編9回
出エジプト記7回
レビ記5回
民数記1回
マラキ書1回
ヨナ書1回
創世記2回
ゼカリヤ書3回
ダニエル書2回
マルコによる福音書
マラキ書1回
イザヤ書5回
出エジプト記4回
申命記8回
創世記2回
詩編5回
レビ記2回
ダニエル書2回
ゼカリヤ書1回
ルカによる福音書
出エジプト記3回
レビ記2回
イザヤ書5回
申命記6回
詩編7回
マラキ書1回
ダニエル書1回
ホセア書1回
ヨハネによる福音書
イザヤ書4回
詩編7回
ゼカリヤ書2回
出エジプト記1回
民数記1回
使徒言行録
詩編11回
ヨエル書1回
出エジプト記11回
申命記3回
レビ記1回
創世記4回
アモス書2回
イザヤ書5回
サムエル記上1回
ハバクク書1回
ローマの信徒への手紙
ハバクク書1回
イザヤ書18回
詩編13回
創世記9回
出エジプト記4回
申命記8回
マラキ書1回
ホセア書2回
レビ記2回
ヨエル書1回
列王記上2回
ヨブ記1回
箴言1回
(一応、サムエル記下1回・・・ダビデの詩で、詩編18:50と同内容なので上の詩編のところでカウントしました)
コリントの信徒への手紙1
イザヤ書6回
エレミヤ書1回
ヨブ記1回
詩編3回
申命記2回
創世記2回
出エジプト記1回
ホセア書1回
コリントの信徒への手紙2
詩編2回
イザヤ書2回
レビ記1回
エゼキエル書2回
サムエル記下1回
出エジプト記1回
エレミヤ書1回
申命記1回
ガラテヤの信徒への手紙
創世記4回
申命記2回
ハバクク書1回
レビ記2回
イザヤ書1回
エフェソの信徒への手紙
詩編2回
ゼカリヤ書1回
創世記1回
出エジプト記1回
申命記1回
テモテへの手紙1
申命記1回
テモテへの手紙2
民数記1回
ヘブライ人への手紙
詩編16回
サムエル記下1回
申命記4回
イザヤ書2回
創世記6回
出エジプト記3回
エレミヤ書2回
ハバクク書1回
箴言1回
ハガイ書1回
ヤコブの手紙
レビ記1回
出エジプト記1回
申命記1回
創世記1回
箴言1回
ペトロの手紙1
レビ記1回
イザヤ書6回
詩編2回
出エジプト記1回
箴言2回
ペトロの手紙2
箴言1回
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フィリピの信徒への手紙、コロサイの信徒への手紙、テサロニケ信徒への手紙1,2、テトスへの手紙、フィレモンへの手紙、ヨハネの手紙1~3、ユダの手紙、ヨハネの黙示録
には引用箇所がない?みたいです。
付録の一覧表にはかかれていませんでした。
(感想)
新約の著者は、当然のことのように旧約聖書からの引用をしているわけですが、それは、読み手との間の共通理解があるという前提に立っているからです。だとすると、私たちもそのあたりの理解をしっかりと持っていないと、いくら新約聖書を読んだとしても的外れな理解になっていく可能性がありますよね。
そう、あとパウロのお気に入り聖句がハバクク書の2章4節だということに気付きました。
ローマの信徒への手紙、ガラテヤの信徒への手紙、ヘブライ人への手紙に引用されています。「神に従う人は信仰によって生きる」というところですね。
あと、使徒言行録13章41節でのハバクク書の引用はハバクク書1章5節からでありますが、これもパウロによる引用です。
そういえば、ローマとガラテヤはパウロが書いたという可能性が極めて高いらしいということですが
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AD%E6%9B%B8%E7%B0%A1
ヘブライ人への手紙はよくわからない、みたいな話をウィキペディアで読みました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E4%BA%BA%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%89%8B%E7%B4%99
でも、ヘブライ人への手紙は詩編の引用も多いし、引用の趣味!?はパウロっぽいような。(笑)
それから、モーセ五書の中で民数記の引用率が低いのがちょっと気になりました。まあ、内容的に考えたら仕方ないかな。
しかも引用されているのがテモテへの手紙2ということで
パウロが書いたという真筆性が極めて低いのだとか・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E4%BC%BC%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AD%E6%9B%B8%E7%B0%A1