新宗教や占いにはまっている母が、お墓参りに行くところだと言ってわが家に立ち寄った。
なんでも、今日はこれまで行ったことのないお墓に行かなければならないらしく、それもわが家の近所らしく、これこれこういう名前のお寺は知らないか、と場所を尋ねられた。
残念ながら、というか、当然ながら私がお寺の場所や名前を知るはずもなく全く分からなかったのだが、老いた母にハンドルを握らせて未知の場所に行かせることが怖かったので、ついて行くことにした。
途中、商店などで二度も道を尋ね、やっとのことでたどり着いた。
車を降りれば焼けるような暑さ、古木に群がるセミの声。
木陰を選んで歩いていくと、まだ建てなおしてそれほど経っていない新しい石塔があり私の「母の母」つまり母方の祖母の実家の人々の名前が刻まれている。
「なになに?これが、おばあちゃんのお父さんとお母さんで、これがお兄さん?それでこれがおばあちゃんのおじいちゃん?」(ややこし)
実は、今日母がここにやってきたのは、私の祖母の祖父、つまり、私の「高祖父」に当たる人を供養するためなのだという。
この、100数十年前に生まれた高祖父が成仏できていないために、いろいろな悪いことが起こっている、と占い師に指摘されたのだという。(いったいどんな悪いことがあったのか私は知らないが(;´Д`A ```)
「何でこの人?何かあったのこの人に?」
「良くわからないんだけどさ・・・」
母によると、家族構成も知らないはずの占い師が、すべてお見通しだと言わんばかりに会った途端すらすらと家系図を書きはじめ、「この人が成仏していないのが諸悪の根源」だといって指さしたというのである。
「このおじいさんはさ、母さんから聞いたことがあるんだけど、熱心なクリスチャンでね、教会を建てたらしい。でも家族も親族もそうじゃなくて、このお寺の檀家だったから、いろいろもめて大変だったらしいんだよね。」と母。
大体、祖母の実家がこの辺(つまりわが家からそう遠くないところ)だったなんて今日初めて知った。その上、高祖父はクリスチャン?教会作ったって?
成仏云々はわからないし、占い師が何で突然そんなことを言い出したのかもわからないけれど、家族にも親族にもクリスチャンはいないのだ、とずーっと思ってきた自分にとってそれは大変な驚きで、
「おじいさんが教えたのかしれないけど、母さんはよく讃美歌うたってたよ。
主われを愛すとか、いつくしみ深きとか」
え?私の知ってるおばあちゃんは和讃やって詩吟やってる人なんだけど??
「永遠」という、人間には想像の付かない時間と空間を支配されている神さま。
「主イエスを信じれば家族も救われる」という御言葉に、「無いね」と断言し、ため息しか出ない自分だったけれども
祈りとは、自分の確認できる範囲で聴かれるとは限らないのだ、ということに気付かされたような気がした。
神さまは時間を超え、空間を超えておられるお方であるということが、