2016年5月1日日曜日

【調べ学習】聖書に書かれている「鳥」と「からし種」について(冒頭に2022年の追記あり)

2022年8月に書いた追記
2016年のこの頃はまだギリシャ語やヘブライ語聖書を読むことは完全に無理でした。…でも読みたかった…本当に読みたかった。そう求めていたこの日、たまたま?BIBLE HUBというサイトに出会ったのでありました。ここから人生が変わったと言っても過言ではない
 

今日の聖書通読はマタイ13章でした。
先日、旧約部分を読み終えてから、「毎日2章ずつ通読」というのをやめ、「基本は1章、でも足踏みしたり戻ったり」という読み方に変えたのでなかなか先に進みません。でも、1章の系図のところなど焦らずにひとりひとり確認してから進むことが出来たので良かったと思いました。  
というわけで、今日は一応13章を読む日だったのですが
「からし種」のところ(32節)でつかえてしまったので、また止まることにしました。
 

イエスは、また別のたとえを彼らに示して言われた。「天の御国は、からし種のようなものです。それを取って、畑に蒔くと、
どんな種よりも小さいのですが、生長すると、どの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来てその枝に巣を作るほどの木になります。マタイ13章31、32節

 
ここの箇所は、何度もお話を聴いたことのある場所で、メッセージでも聖書研究でも 「天の御国の生命力の強さ」を表すというプラスのイメージで習ってきたのですが、ちょっとだけ、ちょっとだけなのですが疑問がわいたのです。
 
一つはヨハネの黙示録のみ言葉とのからみで

倒れた。大バビロンが倒れた。そして、悪霊の住まい、あらゆる汚れた霊どもの巣くつ、あらゆる汚れた憎むべき鳥どもの巣くつとなった。ヨハネの黙示録18章2節より

 
もう一つはエゼキエル書31章のみ言葉との絡みでどうかと。

(略)その小枝にはあらゆる鳥が巣を作り、(略)それゆえ神である主はこう仰せられる。そのたけが高くなり、そのこずえが雲の中にそびえ、その心がおごり高ぶったから、(略)

まあ、黙示録のところは、倒れた後の話ですし、しかも倒れたのは大バビロン。エゼキエルのところは、杉の木の話で、…いずれにしてもからし種の木は倒れていませんので、絡めたところでどうってことはないとは思うのですが、
からし種のたとえの次に来る話がパン種の話で…
一応、マタイのパン種だけは良い意味で「ふくらます」のだと、これもまた何度も何度も習ったのですが、
どうしてここのパン種だけ例外的に良い意味なのぉ??と高校生の頃からずーっと思っていまして(^_^;)天の御国が悪いわけもないんですが。
でもそういう疑いを持ったままなので、ついにからし種までが変な意味に感じてきてしまったのかもしれません。(^O^)
  
聖書を読んでいて、鳥にはそんな悪いイメージはないのですが、「あらゆる汚れた憎むべき鳥どもの巣くつ」という黙示録の表現を見ると、何かを見落としているのかも…と思います。
 
 
気にしすぎかなあ。
 
 
まずは、創世記とレビ記あたりから鳥について確認してみました。
 

あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいずつ、
また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。創世記7章2、3節

 

こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。創世記7章23節

 
 

また、鳥のうちで次のものを忌むべきものとしなければならない。これらは忌むべきもので、食べてはならない。すなわち、はげわし、はげたか、黒はげたか、
とび、はやぶさの類、
烏の類全部、
だちょう、よたか、かもめ、たかの類、
ふくろう、う、みみずく、
白ふくろう、ペリカン、野がん、
こうのとり、さぎの類、やつがしら、こうもりなどである。レビ記11章13~19節
 

次に、Bible Gateway
https://www.biblegateway.com/
でギリシャ語の聖書を見ることにしました。人生初!(^O^)
とは言ってもギリシャ語はアガペーとアフィエイミと、アルファベットを一文字一文字読む?ことしか知りませんので、まずは英語の聖書で該当箇所(今回はマタイの13章と黙示録の18章で「鳥」という語を調べたい)を検索し、検索できたら、書名をギリシャ語聖書に変換してギリシャ語聖書の該当箇所ににたどり着こうという作戦です。
 
 
まずはマタイ13章から
 
31 He told them another parable: “The kingdom of heaven is like a mustard seed, which a man took and planted in his field. 32 Though it is the smallest of all seeds, yet when it grows, it is the largest of garden plants and becomes a tree, so that the birds come and perch in its branches.”
 Matthew 13:31.32New International Version (NIV)
 
31 Ἄλλην παραβολὴν παρέθηκεν αὐτοῖς λέγων· Ὁμοία ἐστὶν ἡ βασιλεία τῶν οὐρανῶν κόκκῳ σινάπεως, ὃν λαβὼν ἄνθρωπος ἔσπειρεν ἐν τῷ ἀγρῷ αὐτοῦ· 32 ὃ μικρότερον μέν ἐστιν πάντων τῶν σπερμάτων, ὅταν δὲ αὐξηθῇ μεῖζον τῶν λαχάνων ἐστὶν καὶ γίνεται δένδρον, ὥστε ἐλθεῖν τὰ πετεινὰ τοῦ οὐρανοῦ καὶ κατασκηνοῦν ἐν τοῖς κλάδοις αὐτοῦ.
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ 13SBL Greek New Testament (SBLGNT)
 
 
 
 
 
次に黙示録18章
 
 After this I saw another angel coming down from heaven. He had great authority, and the earth was illuminated by his splendor. 2 With a mighty voice he shouted:
 
“‘Fallen! Fallen is Babylon the Great!’
She has become a dwelling for demons
and a haunt for every impure spirit,
a haunt for every unclean bird,
a haunt for every unclean and detestable animal.
3 For all the nations have drunk
the maddening wine of her adulteries.
The kings of the earth committed adultery with her,
and the merchants of the earth grew rich from her excessive luxuries.”
Revelation 18New International Version (NIV)
 
Μετὰ ταῦτα εἶδον ἄλλον ἄγγελον καταβαίνοντα ἐκ τοῦ οὐρανοῦ, ἔχοντα ἐξουσίαν μεγάλην, καὶ ἡ γῆ ἐφωτίσθη ἐκ τῆς δόξης αὐτοῦ. καὶ ἔκραξεν [a]ἐν ἰσχυρᾷ φωνῇ λέγων· Ἔπεσεν, [b]ἔπεσεν Βαβυλὼν ἡ μεγάλη, καὶ ἐγένετο κατοικητήριον [c]δαιμονίων καὶ φυλακὴ παντὸς πνεύματος ἀκαθάρτου καὶ φυλακὴ παντὸς ὀρνέου ἀκαθάρτου [d]καὶ φυλακὴ παντὸς θηρίου ἀκαθάρτου καὶ μεμισημένου, ὅτι ἐκ τοῦ οἴνου τοῦ θυμοῦ τῆς πορνείας αὐτῆς [e]πέπτωκαν πάντα τὰ ἔθνη, καὶ οἱ βασιλεῖς τῆς γῆς μετ’ αὐτῆς ἐπόρνευσαν, καὶ οἱ ἔμποροι τῆς γῆς ἐκ τῆς δυνάμεως τοῦ στρήνους αὐτῆς ἐπλούτησαν.
 
ΑΠΟΚΑΛΥΨΙΣ ΙΩΑΝΝΟΥ 18SBL Greek New Testament (SBLGNT)
 
 
 
初めてのギリシャ語聖書。!(^^)!
黙示録の方が簡単そうに見えるのでまずはそっちで「鳥」を探してみます。
καὶ ἔκραξεν ἐν ἰσχυρᾷ φωνῇ λέγων· Ἔπεσεν, ἔπεσεν Βαβυλὼν ἡ μεγάλη, καὶ ἐγένετο κατοικητήριον δαιμονίων καὶ φυλακὴ παντὸς πνεύματος ἀκαθάρτου καὶ φυλακὴ παντὸς ὀρνέου ἀκαθάρτου καὶ φυλακὴ παντὸς θηρίου ἀκαθάρτου καὶ μεμισημένου,
パッと見て、バビロンっぽいのはすぐに見つかったので
あと、分かっているのは、日本語で「倒れた」に該当する語は2回、「あらゆる」が2回「汚れた」が2回、「巣くつ」が2回あるはず。
καὶは6回←なんだろうこれ。φυλακὴ παντὸςは2回ἀκαθάρτουは3回…と複数回登場するものを消していって、グーグルで言葉を検索してみると、
ὀρνέουって言う語が鳥らしいと判明(^O^)
 
 
グーグルで検索したときに出てきた、ここの↓サイトの検索結果を見ました。
http://lexicon.katabiblon.com/?search=%E1%BD%80%CF%81%CE%BD%E1%BD%B3%CE%BF%CF%85
 
 
しかし…マタイの福音書の方にその語句はない。
ならば少なくとも黙示録とは違う言葉で「鳥」と表現しているのだということがこの瞬間判明。
でももっとちゃんと知りたいのでさらに検索をしていたところこんなサイトを発見
http://biblehub.com/interlinear/matthew/13-1.htm
このサイトがどういうサイトなのかなんだかよくわかりませんが
なんとなく便利そうなので←図々しい
使ってみると、マタイ13章ではπετεινὰという語で「鳥」を表現していると判明。
 
で、黙示録の検索の時に見たサイトでこの語句も検索してみたら
こちらの鳥という語句は
Mt 6:26空の鳥を見なさい
Mt 8:20狐には穴があり、空の鳥には巣があるが
Mt 13:4道ばたに落ちた種があった。すると鳥が来て食べてしまった。
Mt 13:32空の鳥が来て、その枝に巣を作る
Mk 4:4種が道ばたに落ちた。すると鳥が来て食べてしまった。
Mk 4:32空の鳥が巣を作れるほどになります。
Lk 8:5空の鳥がそれを食べてしまった。
Lk 9:58狐には穴があり、空の鳥には巣があるが
Lk 13:19空の鳥が枝に巣を作りました。
Acts 10:12四つ足の動物や、はうもの、また、空の鳥などがいた。
Acts 11:6地の四つ足の獣、野獣、はうもの、空の鳥などが見えました。
 
で使われていると。(ナント便利なサイトでしょうか!)
 
一方、黙示録の方で使われていた鳥ὀρνέουという語は
新約では黙示録18章2節でしか使われていないらしく、
旧訳で該当する箇所は申命記の4章17節に出て来る「鳥」だと。
 

堕落して、自分たちのために、どんな形の彫像をも造らないようにしなさい。男の形も女の形も。
地上のどんな家畜の形も、空を飛ぶどんな鳥の形も、申命記4章16、17節

 
 
再度biblehub.comの方にもどってこんどは語句検索してみたところ、ὀρνέουという語はEnglishman's Concordanceによると
 
ὄρνεα
ὀρνέοις
ὀρνέου
という変化形?を合わせると計3回登場していて、
しかしやはり全て黙示録で、
Revelation 18:2
GRK: φυλακὴ παντὸς ὀρνέου ἀκαθάρτου καὶ
 
Revelation 19:17
GRK: πᾶσιν τοῖς ὀρνέοις τοῖς πετομένοις
 
Revelation 19:21
GRK: πάντα τὰ ὄρνεα ἐχορτάσθησαν ἐκ
 
19章の2箇所について言えば日本語の聖書で確認したところ、ざっくり言えば「肉食の鳥」のようでした。
で、肉食の鳥と言えば、ということで黙示録の12章14節にある「大鷲(おおわし)」が思い出されまして、biblehub.comで調べてみたところ(biblehub超便利!)ギリシャ語ではἀετοῦと言うのだそうです。 ってことはアレですね、
聖書では、必要に応じてレビ記のようにしっかり分類された名前を伝える場合と
イメージとしてこんな感じの鳥だということを単語の違いで伝える場合があって、
マタイ13章で使われていた鳥という語は漠然とはしているけれど、少なくとも汚れたイメージや肉食で怖いイメージの鳥ではない。
一方黙示録で使われていた鳥は、日本語にすればタダの鳥ですが、偶像に絡んでくるような汚れたイメージの鳥であるということですね。
だとしたら、鳥という単語で見た限りでは、からし種のたとえの鳥の巣は嫌な感じの意味はなく、素直に「ことりさんが巣を作りましたよー」という感じで語って良いわけですね。
 
あー心が軽くなった(^-^)
 
 

 

 
 
さて、次はからし種です。
今、からし種について調べようと思って、そうだ、昔の聖書事典があった、と思って本棚から1985年発行のいのちのことば社「新聖書事典」を持ってきてみたのですが、からし種の前に「とり」について見てみたところ「一般に翼のある動物を言う」という説明に始まって15行。今日私が知りたかったことはこの事典では調べられなかったようです。
 
さて、そんな事典でからし種を調べてみます。
 
「今日(こんにち)、からし種と言われるものに、2種ある。第1に、イエスがからし種ほどの信仰と言われたのは、くろがらしの種子であろう。(略)ところが、今日イスラエルでからし種の木と言われるのは、きだちたばこと言われるもので、(略)種子は大変細かく、くろがらしの100分の1より、まだ小さい。しかし、これは元来南アメリカ原産のもので、イスラエルに古くからあったものではない。しかし、あまりにも細かい種子であるので、今日ではこれがそのからし種だと言い伝えられられている。エルサレム周辺はもとより、ヨッパにもエーゲ海の島々にも、アメリカにも、その強い生命力を持って分布圏を広げている。(略)」
 
 
ならば、
「くろがらし」がからし種ですね。
 
 
 
 
ウィキペディアより

クロガラシ(英語:black mustard)は、アブラナ科アブラナ属の一年生植物。種子を香辛料として利用するほか、野菜またはハーブとして利用される。 地中海沿岸原産で荒れ地などに自生している野草だが、現在では帰化植物として世界的に分布している。
草丈が非常に高く、成長すると2.4メートルに達する。表面が毛羽立った多肉質な茎を持ち、茎の頂に花弁が4枚の黄色い花をつける。葉は大きいが、カラシナやシロガラシと違い毒性があり食用に適さない。冷涼な気候を好み、温暖な気候だと日中しおれてしまうこともある。
果実が実ると、茎に密着する点で他のアブラナ属と区別できる。また開花期もアブラナ属の中でもっとも遅く、日本で栽培した場合、5月近くになる。
クロガラシは先史時代の遺跡からも発見されており、香辛料としての歴史はシロガラシより古く3000年前からとも言われている。聖書の喩え話に登場する「からし種」(マタイ13:31-32など)はクロガラシの種を指すという説もある
(バーバラ・サンティッチ; ジェフ・ブライアント; 山本紀夫訳 『世界の食用植物文化図鑑』 柊風社、2010年。ISBN 9784903530352。)
現在マスタードの原料としてはほとんど利用されていない(粒マスタードに用いられるのは本種ではなく、セイヨウカラシナの一種であるブラウンマスタードである)。草丈が高く種子が落ちやすいため機械収穫に向かないことも工業化できない一因となっている。風味はシロガラシよりも鼻に抜けるような辛み感が強く、ピクルス液やインド料理ではマスタードオイルやギーの風味付けとして用いられている。
種子は褐色で黒芥子(コクガイシ)と呼ばれ、他のカラシ種子と同様に、健胃、去痰、鎮咳の漢方薬として用いられる。ヨーロッパでは筋肉痛の湿布薬としても用いられた。

 
 
 
背丈は2.4メートルという事で問題ない気はするのですが、


もしも今私たちが目に出来るブラックマスタードが改良種であるならば、作物を改良する場合、たいていは扱いやすいコンパクトサイズで収量重視になっているはずですから、イエスさまの時代の植物のデザインとは違うかもしれません。聖書の植物を考えるとき、これは忘れてはいけないことですよね。
 
あと考えられるとすれば、鳥は種類によっていろんなところに巣を作っているはずだから
日本でもヒバリとかは…
もちろん、イエスさまはからし種が大きくなるから鳥が巣を作るとおっしゃっていますので
ヒバリのように草の根元に穴を掘る形式の巣ではおかしいのでありますが。
 
(イスラエルの鳥を検索中…)
 
 
よしこれなんかどうだ!
Palestine sunbird
https://en.wikipedia.org/wiki/Palestine_sunbird
 
ウィキペディアにリンクを貼りましたが、
小さくてとても可愛い鳥です。
 
 
 

 

 
今日の結論。
 
 

とりあえずは、これまで習ったとおりだったということで納得しました。